まめだいふくな日々

ささやかな日々の暮らしを切り取って書いています。

妊娠出産記録⑤

前回はこちら

 

mamedaifukuu.hatenablog.com

 


ついに陣痛が始まった

陣痛が来たのは、予定日の22時ごろだったように思う。鈍い痛みの波。これが陣痛ってやつなのか。けれど、陣痛と陣痛の間の時間はバラバラ。
私はソフロロジーについて書かれた体験談を思い出していた。「陣痛時は、自分がリラックスしている状態を思い浮かべて乗り切る」と、いうのがあり、私は事前にシチュエーションを設定していた。

 

シチュエーションとは

陽気のいい天気で、大きな木に木陰があり、そこに大の字に寝転がる。下は芝生で心地よい。鳥がさえずり、蝶々も飛んでいる。空は青く白い雲とのコントラストがとても綺麗だ。遠くの雲を見ながらぼーっとしている…
早速想像しようとするが、痛みはあっけなく私を現実へ引き戻した。

 

無理だろ

 

読んだ体験談の方は温泉に入って夜空の星を満喫していたが、私はとても大地に寝転がってられる状況ではない。
そのまま夜中になり、家ではなんとか呼吸に集中する事で陣痛を乗り切っていたが、ついに陣痛の間隔が短くなってきたので、病院へ連絡し向かった。

 

病院に到着

子宮口は全然開いてないらしく、他の部屋で待機となった。

「数時間で産まれるんですかね?」

「初めてだから時間かかると思うよ。午前中に産まれたらいいかなぁ」
痛いのがそんなに長く続くのか絶望。
そう思っていたけれど、案外早く処置室に移動した気がする。
本来なら立ち合い出産ができるのだけど、この時はコロナ真っ只中で、重症化する人も多く、死亡率も高い状態の時期であったため、立ち合いはできなかった。

 

いつまで経っても7センチから進まない

「今、何センチですか?」
何回しているだろうこの会話。

そして何回聞いただろう「7センチ」。

進まないのである。
ずいぶん7センチの時間を過ごした気がする。聞くたびに「7センチ」のセリフに何度も絶望した。助産師さんも、通りかかるたびに聞かれては、申し訳なさそうに答えていた。

助産師さんの「午前中に産まれたらいいかなぁ」というその言葉を希望に、痛みに耐えていた。
そして、あれよあれよという間に、昼食が運ばれ、セリフは「今日中に産まれるといいね」に変わった。
人間の体とはすごいなと思う。24時間以上、ずっと出産に集中して起きていることができるなんて。
もう、夜中になっていた。


助産師さんは「明日の朝までには産まれると良いね」と言った。

 

そしてついに

助産師さんの言うところの、「明日の朝」は訪れたが、産まれる気配はなかった。
幸い、子供の心音は元気そのものなので、ずっと自然に産まれるのを待つという状況だ。
「陣痛促進剤を使いましょうか?」
恐れていた事態となり、「痛いんですよね…コワイ…」とビビっていたら、良かったのか悪かったのかわからないけれど、もう少し頑張ってみましょう、となり、少しの間、陣痛促進剤なしで頑張る事となったが、少しして、やはり促進剤を使うことになった。「赤ちゃんも苦しくなっちゃうから」。入れるしかないッ!
そして少しは強くなったのだと思うけれど、思った効果が得られなかったようで、「もう少し促進剤していいですか?」と聞いてきた。
その時には流石に「やってください」と言うことができた。
陣痛が痛くて全然感覚は無かったが、そのうち
「今日ね、午前中産まれなかったら、午前中の診察が終わったら先生がきて、出しますから」とお知らせがあった。
遅くてもこの戦いは昼で終わるらしい。

 

思ってたんと違う

いつ、何センチになったのかわからないけれど、もういきんでいいらしい。いきむのは意外と難しくて、何回も「声出さないで」「目を開けて」と言われてしまうくらい、目をつぶって声を出していたらしい。そして、初めて見る助産師さんがやってきて私の体を横向きにして片足を上げた。「あ、フリースタイル出産か」と一瞬思い出したけれど、余裕がなさすぎて体勢とかどうでも良くなっていた。というか、横向きで足を担がれてあーしてこーしてと言われる方が難しかった。なんか思ってたんと違うような…自分の身体の感じる楽な体勢に自分のタイミングで、自分でなって…っていうのではないんだな。今思えば、機械が付けられているから現実的には無理なプランだっただろう。
全然指示通りにできない私に、助産師さんも諦めたのか、最終的にスタンダードなポーズに戻った。
そしてまだ産まれず、予告通り、診察終わりの先生の出番です。

 

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その頃の夫

陣痛の始まった翌日は出産休暇をとって待機して(産まれず終了)、その後も、いつ産まれるのかわからないので全然寝れず、ほぼ寝ずに過ごしていたらしい。仕事にも行って、夜も起き続けてるなんて、君は私よりタフじゃないか!

 

 

 

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