まめだいふくな日々

ささやかな日々の暮らしを切り取って書いています。

ひとり美術館へ

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茨城天心記念五浦美術館に行ってきた。

以前から見たいと思っていた、西田俊英さんの作品展が開催されているのだ。


行ける場所で開催されると知ってから、ずっと楽しみで仕方がなかった。

この日は娘の一切を夫に任せ、ひとりで出掛けて美術館を満喫する一日だ。


「今日は結構夜まで出ちゃっても良いかなあ?」と聞くと、夫は快くOKしてくれた。
なんと、ご飯の支度も全てお任せしても良いというではないですか!なんという自由!ありがとう夫!


朝から張り切って家のことを片付けて、早々と家を出て行った。

 

ひとりで遠出するのも久しぶりで、もうそれだけで楽しい。

 


美術館に向かうアプローチ(割と長い)に植え込まれた木が、一本の飛び出しも許さず真四角に整えられている。
美術館だからという先入観のせいかもしれないが、アートっぽく感じてしまう自分がいる。
そして、美術館に来たんだという気分がさらに上がって、着く前からワクワクが止まらない。


一度は来たことのある美術館だから、チケットを購入すると、足早に企画展へ向かう。


私は、そもそも日本画をそんなに見たことがない。
絵のことも全然知識がない。


だけど、西田俊英さんの作品はどれも息をのむ美しさで圧倒された。
その作品の醸し出す雰囲気に引き込まれて、額縁の中の世界に入ったようだ。

 

そして、いよいよ見たかった作品の展示室へ。

 

 

そこには、巨大パネルがずっと繋がってひと続きの物語が描かれている。

 

ひと続きの巨大パネルは、まるで巨大な絵巻もののよう。
身長を大きく超える絵は、物語の中に入り込んだような臨場感がある。

 

雨粒から始まる物語は
頭の奥で雨音が聞こえてくるよう。
歩き進めると、霧が立ち込め、今度は激しい雨が降る。またも頭の中で雷が激しく鳴り響くようだった。


絵の世界観に飲み込まれながら歩き進めていく。

屋久島に行ったことはないけれど、目の前に森の光景が本当に広がっているかのようだった。びっしりと細かい苔までも生き生きと描かれている。

 

物語は第3章まで展示されていた。
今も描き続けられており、第6章で完結するそうだ。
展示されたら絶対にまた来よう。
心が満たされて帰る道もまた楽しい時間になった。

 

夜まで出るつもりが、結局夕方には家に帰ってきていた。

 

 

 

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美術館は葉桜でしたが、散り行く花びらや、花びらが小川を流れていく様子も美しかった。